ゼルダの伝説 BotW がいかに優れたゲームであるかについて
任天堂の「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をプレイした。のんびりまったり進めて、購入して2週間ほど(プレイ時間150hくらい)でラスボス・厄災ガノンを倒し、その数日後に祠を全120個見つけ出してクリアした。サブクエストやコログはまだ残っているものの、ひとまずは落ち着き、別の RPG に手を出したのだが… イライラが溜まるばかりで、いかにブレス オブ ザ ワイルド(以下 BotW)が優れているのかがよくわかった。
本エントリではひたすら「BotW のここがいいぞぉ〜」という話をするわけだが、なるべくネタバレはいれないようにする。ネタバレになるところは白文字で書くので、読みたい人は反転して読むとよい。
(ここで言うネタバレの定義はストーリーに限らず、キャラクター、敵モンスター、マップなどに関する全ての情報のことを指す)
優れている点そのいち:自由度が高い!
オープンワールド形式のゲームなのだが、今まで遊んできたオープンワールドの中でもダントツに自由度が高い。レールに沿った物語ではなく、絶対にやらなければいけないことといえば「始まりの台地」でのチュートリアルと、最終目標の「ガノン討伐」くらいだ。いきなり BotW の広い世界に放り出され、基本的な操作説明や Tips*1はあれど、とりあえず自分でやってみて方法を発見することが多い。何よりも寄り道が楽しくて、「さあ今日はここに行くぞ!」と思っても、すぐに「お、山じゃん登ってみよ」「狼煙が上がってるから行ってみよ」「困ってる NPC がいるからサイドクエストやろ」と、気づいたらまったく別のことをやっている。飽きないし、どこどこに行けと命令する NPC もいないし、もうやりたい放題である。オートセーブのおかげで、いちいちセーブの心配をせずに寄り道が楽しめる。これはわたしの世界で、わたしの人生で、わたしが好きなようにやる、そんなゲームである。
また、自由度が高いと新たな発見ばかりで、「ええええこんなこともできるの!?」と驚くこともしばしば。(例:パラセイルで降下中、地面が近づいてきたら爆弾矢を放って上昇気流を作り出し、高く舞い上がって更に遠くまで飛ぶ、というテクニックを見た時は目からウロコ状態だった)自分の頭で考えていろいろ組み合わせたり、食材を決めて料理を作ったり、正規ルートをガン無視して断崖絶壁を登って強引に目的地に向かったりと、とにかく楽しい。好きに走り回れると、時にはいきなり強敵と出会ってしまうこともある。「うわあ強い強い!」と絶望することの方が多いが、アイテムや回避システムのおかげで勝つことは不可能ではないのだ。実際、any% などを観ると裸のリンクが目覚めて50分強でガノンを倒している。わたしは物語初期の頃、NPC から聞いた話を頼りにとある場所に向かい、弱いなりにアイテムを駆使して奮闘したものだ。(ラネール山・知恵の泉のネルドラ解放クエストだったのだが、武器なんてそこらへんのボコブリンから奪ったやつだし、防寒具もなくてひたすらポカポカ料理を食べて凌いだ。めちゃくちゃ時間かかった。めちゃくちゃ頑張った。)そんな強敵がいるマップにはそもそも入れない仕様のゲームもあるが、BotW では本当に自分が冒険をしているような、そういう自由さがある。不可能な戦闘がないおかげで、その自由度も負担ではなく、楽しい経験になるのだ。
優れている点そのに:探検が無駄にならない!
BotW はただ広大なだけではない。別の RPG を遊んでいてストレスだったのが、時間をかけてマップの端まで探索しても「何もなかった」という時だ。しかし「なんだ時間の無駄かよー」とならないのが BotW である。祠が隠されてあったり、思わずスクリーンショットを撮ってしまうような絶景があったり、コログがいたり。祠やコログも、攻略はマストではないけど見つければ見つけるだけイイことがあるので、無駄にはならない。ていうかコログ、いろんなところにいすぎ…。(ハイラル城のてっぺんにいるのを見つけた時は「絶対この世界楽しんでるよね?」と思ったし、コログなのはわかってるのに取れない時は「コログの実なんてただのう○このくせに!」って感じだった)わたしは自他共に認める方向音痴で、たとえゲームでも道がわからず膨大な時間を消費することがあるのだが、BotW では迷子になっても無駄ではない。「なんかよくわからないところに来ちゃった…」という状況になっても必ず何かを見つけることができるので、だれることなく楽しく放浪することができる。
雨宿りしていたらいずれ止んで虹が出てきた。きれいだなぁ。
また、RPG にありがちな、無価値な NPC というのがあまりいないのだ。BotW は広大ゆえに、NPC は有益な情報を教えてくれるし、サイドクエストをくれたりする。NPC に話しかければそれだけで「できること」が増えてゆくのはすごい。
優れている点そのさん:リアルティがある!
細かなところにリアリティがあってよい。崖の上から物を落としてみるとよくわかるのだが、転がり方・落ち方がとてもリアルだ。ただ斜面に沿ってコロコロ落ちていくのではなく、崖のでっぱりやアイテムのサイズ感によって転がり方が変わる。同じように、水面にアイテムを放った時も、ちゃんとサイズ・重量・素材によって浮かぶ物と沈む物が分かれるのが良い。また、矢を射った時の曲射もリアルで、遠くの敵に対して真っ直ぐと矢を放っても当たらない。そのあたりも上手に考えて少し上を狙う必要がある。
リンクや NPC の反応もリアリティがあって良い。寒い地域にいる時にガタガタと震えるリンクの顔が超絶スーパーキュートだし、NPC の目の前で武器を振るったりすると「ひぃ!」と驚いたり、こっちの動きに合わせて視線が動くのもリアルだ。こういう反応がちゃんとしているからこそ、より BotW の世界に没頭することができる。
はい、ごめんなさい。
優れている点そのよん:武器が消耗品である!
BotW では武器や盾は消耗品であり、使い続けていると壊れてしまう。海外のレビューを見ていると賛否両論のようだが、わたしは素晴らしいシステムだと思う。武器が消耗品であることは、モチベーションを保つためには良い。武器は落ちていたり地面に刺さっていたりするので、プレイヤーの探検を促す。また、敵の持っている武器を拾っていくことも多いので、レベルや経験値という概念がなくても戦闘をする意味がうまれる。もし戦闘がしたくない場合は、工夫をすれば本気でやり合わずとも武器を奪うことはできる。その方法を考えて試すのもプレイヤーの自由だ。
優れている点そのご:マップが良い!
BotW のマップは最初は空っぽで、各エリアの塔を登ることで解放することができる。マップを解放すると探検が楽になるのだが、地名が書いてあるだけでそこに何があるのかは自分の足で行って確かめなければならない。場所によっては実際に行ってみてその場所を見つけないと地図に名前が記されない。探検のしがいがあるってもんよ。
また、右下に表示されるミニマップをオフにすることもでき、本物の探検家気分を味わえる。サバイバル感があってなかなか面白いが、自分がどこにいるのかわからないまま世界に放り出されているような気がしてわたしは少し怖いw
サイドクエストが豊富なゲームだと、今ストーリーのどのあたりにいるのか、NPC がなんて言っていたのか、そして次どこに行けばいいのかを忘れてしまうことがある。BotW ではそういう「あれ?」が解消されている。サイドクエストごとに目的地を選べるので、ずっと放置していたものでも「あ、そっか、ここに行くんだった」と思い出すことができる。
優れている点そのろく:世界中に散らばるミニゲーム!
馬鹿みたいに走り回って片っ端から森林伐採をしたり敵のねぐらを爆破していくのも十分楽しいが、そんなことをしているうちにミニゲームを発見することがある。こういうミニゲームはお金を支払って(だいたいのものは1ゲーム20ルピーくらい)遊ぶのだが、決められたスコアよりも高い点数を出したりするとアイテムやお金がもらえる。冒険をしていてミニゲームを見つけると、いい息抜きになる。(例:ククジャ谷を端から端まで歩いていた際、ちょうど飽きてきた頃にゴルフのミニゲームを見つけて良かった。冒険のよいスパイスである。ちなみにこのゴルフ、個人的にはクソゲーだと思ってる。いや実際はわたしが下手なだけなんだろうけど、「うおークソゲー!」と勝手にひとりで盛り上がってる。楽しい。)世界中にけっこうたくさんのミニゲームが散らばっているので、それを探すのも楽しい。
優れている点そのなな:ロードがない!
正確には村や家の出入りの際のロードがない。ワープ時や祠の出入り時はあるが、ただただワールドを爆走しているだけならロードを挟まないので没頭できる。オープンワールドを遊んだことがある人ならあまり驚かないかもしれないが、このシームレスな感じはストレスを軽減できて本当に良い。わたしはよく NPC の家に入って物を壊したり勝手に物を持って行ったりしていて、「よっしゃー空き巣じゃー」と部屋を出入りしてもいちいち画面が切り替わったりしないのはありがたい。空き巣行為が捗る。
へっへっへ高価そうな瓶ゲットだぜ(そしてこの後壁に叩きつけて木っ端微塵にした)
結論:BotW はちゃんと「ハイラル」という世界に連れて行ってくれる
BotW の良いところを全部書いたら本当にキリがないので、とりあえずは七つに留めておく。BotW をやっていると、「ゲームをやるぞ」というよりは「さあハイラルにいくぞ」という気分になり、本当に自分がリンクと一体化して冒険しているような気分になる。NPC やロードなど、プレイヤーが抱くかもしれないイライラも解消してくれるあたり、本当によく考えられたゲームだと思う。みんなも Switch あるいは Wii U が手元にあるのなら、ぜひプレイしてみると良い。やりこみ要素も多いので、様々な楽しみ方ができると思う。レッツ ハイラル ライフ!
Google のユーザーサポートは助け合うことが大事である
Google のコミュニティマネージャーとして働いていると、様々なユーザーサポート案に関わることができる。「Google へお問い合わせがしたいです、電話番号はどこですか」というようなフォーラム投稿が相次ぐので、せっかくの機会だし、Google のカスタマーサポートについて少し書いてみようと思う。
正式な問い合わせ先が必ずあるわけではない
まずはじめに上記の質問の答えだが、「Google への問い合わせ先はいくつかの製品にしかない」である。基本的には無料のプロダクト、たとえば個人用の Gmail や Google Chrome や Google Map などは、一部例外を除いて問い合わせフォームや電話番号は存在しない。なぜなら、プロダクトを日々使っていただいているユーザー数を考えると、問い合わせをさばききれないからである。逆に、有料プロダクト、たとえば gSuite や AdWords などは問い合わせ窓口が存在する。そのカスタマーサービス込みの有料版である。
では無料プロダクトを使っているユーザーが困った時は、どこに行けばいいのか?それを理解するためには、まずはスケーラビリティについて考える必要がある。ありがたいことにユーザー数はとても多いのだが、ひとりひとりに対応できるほどのリソースもコストもない。さらに、仮に全プロダクト・全ユーザー用にコールセンターが存在したとしても、「オペレーターに繋がらない」「電話してる暇がない・今かけることができない」などのシチュエーションになった場合は、やはりさっと確認して問題解決できる何かが欲しくなる。なので、ユーザー同士で助け合える環境を作る、困った時にヘルプセンターなどを見ることによって自己解決ができる、そしてそもそも困ることのないようにわかりやすいプロダクトを作る、という3つの点が重要になってくる。本記事ではこの1つ目の点「ユーザー同士で助け合える環境を作る」ということについて書いていく。
コミュニティマネージャーはユーザー視点でものを考える
書き始める前に、そもそもコミュニティマネージャー(以下 CM)とは、ということについて触れておこう。CM はざっくりと言えば、「ユーザーに一番近い中の人」だとわたしは思っている。やっていることは:
- エキスパートの育成(エキスパートについては後述。今は「Google 製品に詳しいユーザー」と考えてほしい)→ 製品についての資料の作成、Hangout On Air、オフィスアワーなど
- Google の Top Contributor Program およびに担当プロダクトのエヴァンゲリスト → ユーザー向けイベントの企画や登壇、製品のアップデートや便利機能の情報発信など
- ユーザーの立場から考える → フィードバックを集める、イベントなどで直に聞く、新製品のユーザー向け β テストを企画する、などの方法を通して、開発エンジニアや PM に「何がユーザーにとって便利か」「何が不便か」「今後どういう機能の開発が好ましいのか」「日本にローンチするにあたって気をつける点は何か」を、ユーザー視点から伝える
以上が CM のだいたいの仕事内容・方針である。
「ユーザー同士で助け合える環境を作る:フォーラム編」
個人的に一番大切だと思っているのがこの「ユーザー同士で助け合える環境」という点である。できればひとりひとりに丁寧に教えていきたいが、それは不可能なので、わたしはフォーラムの管理に力を入れている。
Google ヘルプ フォーラムというのは Google が公式に運営している Q&A 掲示板のようなものであり、ユーザーが質問を投稿し、ユーザーが返信をつける、といったものである。このフォーラム、じつは担当社員(CM)がモニタリングしているので、無法地帯になることはほとんどない。ただし、よく勘違いされるのだが、必ずしも社員からレスがつくわけではない。フォーラムにもそれなりの量の投稿がくるので、それに毎回返信をしていたら「ユーザー同士」という運営方針が崩れてしまうからだ。フォーラムにおいての CM の役割を一部書き出してみる。
- エキスパート(訳:Google 製品に詳しいユーザー)へのトレーニング(研修)を行う
- 投稿された問題がちゃんと解決できるよう、なるべくレスがつくようにする
- バグや製品の不具合だと判断した場合は、フィックス進捗などをユーザーに伝える
- ユーザー情報が必要だと判断した場合は、フォーラム上の非公開メッセージ機能を用いて直接ユーザーに連絡をする(Gmail アドレスが知りたい場合など)
といったように、社員もけっこうちゃんとフォーラムは見ていて、健全な環境を作る、そして「投稿したのにレスがつかなくて結局解決できなかった…」というユーザーがひとりでも減るよう、あれこれと策を考えるのである。ついでに、フォーラムに投稿される質問の傾向を分析したりして、この言語圏での一番の問題は何なのか、ユーザーにとってわかりづらい点はどこなのか、などを考えたりもする。
「ユーザー同士で助け合える環境を作る:Twitter 編」
じつは Twitter でもいろいろと取り組みを行っている。日本では現在 Gmail/Inbox と Google Chrome まわりの質問にしか対応していないが、海外にはもっとたくさんのプロダクトをみている。Twitter サポートの仕組みも上記のフォーラムと似ていて、ユーザーが Twitter につぶやいたことに、他のユーザーがリプをつけて助ける、といった流れだ。
回答する側は、Help on Social というツールを利用するといい。これに登録すれば、製品に関する質問だけがフィルタリングされるので、Twitter 全体を見るよりも楽に回答をつけることができる。また、回答をすれば☆ポイントが付くので、回答者同士でスコアボードを競い合うようなゲーム要素も含まれている。さらに、Help on Social はモバイルフレンドリーなので、出先で暇な時にちょっと回答してみる、という使い方もできる。みなさんも暇だったら覗いてみて、そして困っているユーザーに救いの手を差し伸べてみてください。
質問する側は、#gHelp というハッシュタグを付けてつぶやくとより回答がつきやすくなる。Help on Social ツールでは #gHelp のフィルターも設定してあるので、ツール上のタイムラインに優先的に表示される。また、ただ単に「あ〜 Chrome 重い」とつぶやくより、「あ〜 Chrome 重い #gHelp」とつぶやいたほうが、「何かアドバイスをくれ」というメッセージが含まれるので、回答側もリプをつけやすい。困ったらぜひ活用してほしい。
エキスパートになるといろんな特典がつく!
何度か「エキスパート」という単語がでてきたが、エキスパートとは Google Top Contributor プログラムの参加者である。フォーラムや Twitter で回答をするのは主にこのエキスパートのみなさんで、よく間違えられるのだが、この人たちはいちユーザーであり決して Google 社員ではない。フォーラムなどを見ればわかるのだが、エキスパートのアイコンに付いている専用バッジと、Google 社員が付けているバッジは別物なので、見分けることができる。ほんと、エキスパートのみなさんにはいつも助かっているし、わたしはエキスパートのみなさんとお話するのが大好きだ。金銭的なインセンティブは一切ないが、日々ユーザーへの回答をつけてくれるお礼として、いくつかの特典がつく。
- CM と直接コミュニケーションがとれる(担当製品に関する質問などが気軽にできる)
- 公開前情報などが閲覧できる(要 NDA)
- 公開前プロダクトや新機能の β テスターに応募することができる(要 NDA)
- 限定イベントに参加できる(PM や開発エンジニアに会えちゃったりもする)
- イベントは基本的に無料!Google 本社(米・カリフォルニア州)でのイベント時でも、フライト代や宿泊代がちゃんと出る。
- Google オフィスにふらっと寄れる。東京オフィスだと、基本的にはわたしにアポをとれば遊びに来れる。運が良ければ Google の社食ランチも食べれる。
といったように、エキスパートになれば様々な特典がつく。これらの特典は、「今後ユーザーを助けるために役に立つ情報の提供」や「製品に関する的確なフィードバックの期待」に基づくものである。たとえば、一般には公開していない機密情報や製品の仕組みをエキスパートに伝えることによって、その知識を今後の回答に役立ててほしい、ということだ。
もっと気軽に参加してほしい
質問を投稿するにせよ、回答するにせよ、ユーザーのみなさんにはもっと気軽に参加してほしいと思う。とくに回答側はなんだかハードルが高いように見えるが、全然そんなことはない。今エキスパートになっている方たちのほとんどは狙ってなったわけではなく、「なんとなく回答をしていたら Google の中の人にスカウトされた」みたいな感じだ(もちろん、エキスパートになりたくて回答を続けてきた人もいる)。また、「製品に詳しい IT 系の人しかエキスパートにはなれない」というのは大きな誤解であり、このプログラムには高校生の方、専業主婦の方、ミュージシャンをやっている方など、IT とはまったく関係のないユーザーが趣味で続けているケースが多い。なので、みなさんもなんだか暇だなぁと思ったら、フォーラムや Twitter (Help on Social) を開いてぜひ回答をしてみてください!何気なく続けていたら、わたしから「ヘイユー、エキスパートにならないかい?」とお誘いがくるかもしれない。
質問をしたい時も、気軽にフォーラムや Twitter (#gHelp ハッシュタグを用いて)に投稿をすれば、回答がつくかもしれない。また、Google のヘルプセンターに書いてあることも多いので、困った時はヘルプセンターにアクセスして検索してみるのも良いかもしれない。というのも、本記事の最初のほうに書いた「困った時にヘルプセンターなどを見ることによって自己解決ができる」というのも Google ががんばっている点のひとつで、ヘルプセンターを担当している社員が常にチェックして改善していっているので、ぜひ活用してほしい。
最後に、Google Top Contributor プログラムに関すること、フォーラムや Twitter サポートに関すること、製品のことなど、気になることがあれば気軽にフォーラムやわたしの Twitter 宛にどうぞ!また、定期的にイベントに参加したり、時には話したりしているので、見つけたら声をかけてくださいね。
それでは、快適な Google ライフを!
よいプレゼンを作るには
学生であれ社会人であれ、プレゼンを作成して発表する機会は多く存在するかと思います。よいプレゼンの作り方、というプレゼンもネット上にはたくさんありますが、本日はわたしなりのプレゼン作成のコツを書いていきます。
まずは伝えたいことを決める
ひとつ、あるいはふたつまで、最終的に伝えたいことを決めます。たくさん詰め込んではいけません。例えば四半期の売上報告ならば、最終的に伝えたいことは「実際の売上」「来期の目標」かもしれません。なるべく具体的に書いてください。新規プロジェクトの案ならば、「このプロジェクトがいかに良いか」ではなく、「このプロジェクトはリターン率が高いから良い」という風に、最大の理由を挙げてください。
想定オーディエンスをはっきりさせる
誰に向けてのプレゼンなのか?を考えます。同期や同じチームの人たちが相手なら、具体的な説明を多く含んだプレゼンになるかもしれません。部長や偉い人が相手なら、なるべく手短かに、オペレーション・運用法に関する細やかなディテールを省いて、データ重視のプレゼンになるかもしれません。オーディエンス(聴衆)によって伝えたいメッセージやプレゼンに含む情報が変わるはずです。
ストーリーボードを作る
絵コンテともいいます。プレゼンを作る上でもっとも大切なステップだと思ってます。プレゼンはストーリーです。ひとつのお話を、相手に言って聞かせるものです。小説を思い浮かべてください。小説にはほとんどの場合、大きなメッセージが隠されています。そのメッセージを伝えるために、登場人物を動かし、事件を起こします。それと同じ感覚で、「最終的に伝えたいことは何か」を頭に入れて、絵本を作るように、まずはざっくりと絵コンテ(全体的な流れ)を紙に書きます。さらさらーと、細かいことは気にせずにストーリーボードを作ります。
スライドのタイトルだけで伝わるようにする
これはとても大事です。プレゼンに限らず、記事やブログなどでもこれができていない人が多すぎます。絶対にスライドのタイトルを「2016年度の売り上げ報告」などのふわっとしたものにしないでください。タイトルは、そのスライドのまとめだと思ってください。例えば、そのスライドに売り上げ額と前年比が書いてあって、かつそのスライドの要点だと思うのなら、タイトルも「売り上げ前年比20%増の3億」などと書きます。それからそのスライドに詳細を書き、グラフなどを入れれば良いです。
もうひとつ例を挙げるなら:
✕ プレゼンの作り方
◯ プレゼンはストーリーボードから
という風に、しっかりと伝えたいことを上に持ってきます。
コツは、プレゼンを見た時に「タイトルだけでストーリーが成立するか」を意識することです。
省略語を使う
文法的に不正確でも、意味が伝わればいいんです。長ったらしい文は見づらい上に、オーディエンス(聴衆)の集中力が分散される原因となります。実際に見かけた例を挙げます。
✕ 市場価値は年々7%の成長をみせ、現在は3億以上となっている
◯ 市場価値>3億、7%増
このように、スペース・コンマ・記号などを使っても問題ありません。なるべく簡潔に書くようにして、口頭で説明します。実際にプレゼンを発表する際に、スライドにずっと目を向けて読み上げるだけ、なんていう事態も回避できます。
プレゼンの始めに目次を入れる
一枚目のカバースライドの次は、目次を入れます。今日はこういう順番で、こういう話をするよ、ということを伝えれば、聞いている側もある程度の準備をすることができます。目次はスライドタイトルとは違って、要点を述べる必要はありません。おおまかな流れが説明できれば良いです。
オーディエンスによっては結論スライドを先に入れる
目次の次に結論スライドを入れます。これは主に、オーディエンス(聴衆)が重役だったりする場合に効果的です。そういう人たちは時間もあまりなければ、考えることも多いのです。「だから何?」と言わせないためにも、プレゼンの最初のほうに結論をどーんと提示しておきます。英語では Executive Summary とも言います。数字やデータを伴った結論を先に出しておくことで、大事なことを正確に伝えます。
ピラミッド型で考えを進める
上で説明したように、結論スライドを入れようが入れまいが、プレゼンの骨格をしっかりと作っていくためには「ピラミッド型」で考えることが大事です。
画像左の「ピラミッド型」が望ましいです。構想の段階では、まず答え(解決法、目標など)を定め、それを達成するにはあるいは意見をより効果的に伝えるにはどうするのかというディテール(具体的なタスク、例など)を考えます。プレゼン作成の際も、プレゼン単位であれ(結論スライド→説明スライド)、スライド単位であれ(タイトル→内容)、この構図を忘れないでください。
見た目に力を入れすぎない
きれいなプレゼンじゃなくてもいいんです。時間をかけるくらいなら、白黒のプレゼン+大事なところだけ赤文字、とかでいいんです。自分では「キレイ!」と思っても、ほとんどの人にとってはどうでもいいことだし、ビジュアルよりも内容に時間を割いてしっかり書いてほしいものです。たまにフリー素材の写真とかを持ってきてオシャレに作ってる人を見ますが、はっきり言っておすすめしません。もし会社的にOKなら、例えば「お客様の声」の周りには吹き出しマークを(プレゼンソフトの [図形] メニューにほぼ100%入っている)、「社内の人の名前」を書くならその名前の横に小さな顔写真を。わたしの場合は、「このプロジェクトの参加者」みたいなものを書く時に、名前の横にその人の社員証の写真を入れてます。もちろん本人の許可をとって。
数字を出す時は必ず参考値を添える
「弊社ウェブサイトの閲覧数がキャンペーン中に3万達成しました!」なんて言われても、ピンときません。平均値がいくつなのか、他社はどのくらいなのかなど、比較する数字を必ず添えてください。たまに見かけるミスなのですが、議論が途端に弱まる上に聞いている側もいまいちイメージしにくいので、しっかり参考になるような数字も出していきましょう。
表やグラフは大事なところだけハイライトする
表やグラフはごちゃごちゃしがちです。線がいっぱい引いてあったり、データ数が多かったり。注目して欲しいデータポイントに赤い丸をつけたり、セルを淡い色で塗り潰したり、表に枠を作ったり。人のプレゼンを見ていていきなりデータスライドが出てくると、情報量が多すぎて「このデータが何を意味してるのか」を理解するのに時間がかかります。また、自分なりに解析してるうちは発表者の話なんて頭に入ってきません。しっかりと注目して欲しいポイントをわかりやすく見せ、口頭で説明するときも「まずはこの左の〜」「次に真ん中の赤いところを〜」と、今話していることのスライド上の位置も声に出すと大変わかりやすいです。
各セクション前に目次を再度入れる
目次スライドをコピーして、各セクション前に入れて色を変えます。以下のサンプルスライドをご覧ください。
サンプルスライド1:目次
サンプルスライド2:セクション前
各セクションに入る前に、このように目次の文字の色を変えて、枠を入れます。今はプレゼンのここにいるよ、と聞き手に伝えることにより途端にわかりやすくなるんです。このサンプルスライド2の後に、「Y国への販売戦略」に関するお話をすれば、スライド数が多いプレゼンでも最後まで混乱せずに発表者の話についていくことができます。
うまくいってる点、いってない点、克服法を述べる
プロジェクトであれ売り上げであれ、うまくいっていること、うまくいかなかったこと、そしてそれを克服するにはどうすれば良いのかを書きます。例えば、とあるプロジェクトに関する進捗報告なら:
◯:作業スピードが早い
△:コストがかさんでいる → 来期より工程を1つカット
のような感じで、ちょっと遅れていたり予想通りにいっていないところを書いて、それを克服するための案を明記します。
タイムラインのイメージを入れる
とくにプロジェクト案の発表などでタイムラインの目安を入れることがあるかと思いますが、ただ文字で「第1四半期おわりまでに◯◯をします」「9月までには◯◯をします」と書くよりは、パッと見て全体図がわかるようなグラフを作って入れます。以下のスライドをご覧ください。
このように、視覚的なものを用意すると作業の流れがわかりやすくなります。「何かしらのタスク」の部分は、べつに塗り潰しの色はなくてもいいです。外枠を太くして色をつけるだけでも十分見やすいです。
最後に「今後の話」をする
最後に今後のステップの話をすると、プレゼンがまとまりやすいです。今まで話したことをふまえて、では今後はどうするか、を書きます。長期的・短期的、大・小問わずに、次はこういう流れになります、というのを簡潔に入れましょう。
以上が、わたしがプレゼンを作るにあたって気をつけているポイントです。プレゼンがわかりやすい、とよく言われるので、少しでも参考になると良いです。